Testing Business Ideas
世の中の役に立つ、新しいプロダクトを発掘したいと思い、ビジネスモデル・ジェネレーションを呼んで、複数の顧客や解決策を思いつき、ビジネスモデルキャンバスをたくさん書く。
で、その次は何をしたら良いの?
この本は、ビジネスモデルキャンバスを書いた後、どうすればビジネスアイデアの種を芽吹かせることが出来るのかについて書かれた、ビジネスモデル・ジェネレーションの続編的な本です。
2019年のGlobal Scrum Gathering Viennaのキーノートセッションで著者のアレックス・オスターワルダー氏(所属する会社はこちら)の講演を聴いて、この本の存在を知りました。
ビジネスモデルキャンバスを前に、思いつく限りのビジネスアイデアを書きなぐった後、我に返って、でっ!このあとどうするんだっけ?という焦燥感に浸ったことのある人なら、きっとこの本に書かれている内容は、次のアクションのきっかけになります。
本書は、Design、Test、Experimentsという3部構成になっています。
Designでは:
- ビジネスのためにどんなチームが必要か?
- 成功するチームが見せる6つの振る舞いについて
- チームが繁栄する環境をどうデザインするか?
などが書かれています。
今後、ビジネスアイデアを検証していく上で、必要となるチームですが、誰でも良いというわけではありません。そこで、ここで紹介されているチームDesignの考え方が役立ってきます。
Testでは:
- 思い込みをマッピングする(Assumptions Mapping)
- テストカード
- 学習カード
などといった、思考ツールを使い、ビジネスアイデアの仮設の相対的な比較を行っていきます。
闇雲に、ビジネスアイデアを開発したのでは、どれほど潤沢な資金や時間があったとしても、うまくいかないのは、想像に難くないです。
そこで、ビジネスアイデアの最大の敵である”不確実性”にアプローチするための準備を行います。
次に、Experimentsでは:
- 実験を選択する
- 実験で発見する(29個の発見方法)
- 実験で検証する(15個の検証方法)
などの項目で、Testで作成したツールを使って、仮設に含まれている不確実性にたいして、さまざまな実験を行うことで、仮設の検証を行っていきます。
本格的な開発に入る前に、ビジネスモデルの不確実性を減らすための実験です。
Experimentsでは、実験方法を4つの要素に分解し、実験を大局的に見て比較する方法や、具体的な実験方法が紹介されています。それら実験から得られた証拠(エビデンス)をもとに、ビジネスアイデアを継続するか?ビジネスモデルの変更を行うか?はたまた、ビジネスアイデアを止めるか?の選択を行うことになります。
書籍の冒頭の88ページは、著者のホームページで無料でダウンロード出来るので、ぜひこの機会に中を覗いてみて下さい。
2020/11/6追記
Testing Business Ideasの日本語版がでるみたい。これは楽しみ。